特定商取引法の住所にバーチャルオフィスは使える?ネットショップの条件を消費者庁Q&Aで整理【診断つき】

特商法の住所にバーチャルオフィスは使える? 起業・登記ガイド

この記事には広告(アフィリエイトリンク)を含みます。紹介する内容は、各社の公式サイトと国の公式情報で確かめたものです。

確認日:2026年10月31日時点(消費者庁「特定商取引法ガイド」、BASE・STORES・Shopifyの公式ヘルプ、各バーチャルオフィスの公式サイト)。料金は税込です。

ネットショップを始めると、「特定商取引法に基づく表記」のページに住所と電話番号を書くことになります。自分の家で仕事をしている人にとっては、「自宅の住所をネットに出したくない」というのが正直な気持ちではないでしょうか。

結論からいうと、消費者庁の「通信販売広告Q&A」には、条件を満たせばバーチャルオフィスの住所を表示しても特定商取引法の求めを満たすと考えられる、という答えがのっています。さらに、BASEやSTORESのように運営会社の住所を代わりに表示できるサービスもあります。この記事では、消費者庁の原文をもとに「何が必要で、何をしてはいけないのか」を整理し、自分に合う方法がわかる診断と、特商法の表記に使えると公式に書いているバーチャルオフィスの比較表をまとめました。

結論:条件を満たせばバーチャルオフィスの住所は使える。私書箱はNG

  • 消費者庁のQ18では、「連絡先として使うことの合意」「運営会社があなたの今の住所と本人名義の電話番号を把握している」「確実に連絡が取れる」といった条件を満たせば、バーチャルオフィスの住所でも特商法の求めを満たすと考えられる、とされています。
  • 一方で、私書箱は「住所」の表示にはならないとQ19ではっきり書かれています。
  • BASEとSTORESは、区分が「個人」のショップなら運営会社の住所を代わりに表示できます(ただし発送元や納品書には自分の情報が必要)。
  • 自分で作るサイト(Shopifyなど)や、返品・郵便も自宅以外で受けたい人は、特商法に使えると公式に書いているバーチャルオフィスが近道です。年払いで月880円のバーチャルオフィス1、ネットショップ向けプランがあるNAWABARIとレゾナンス、発送元の住所にも使えるとFAQに書いているDMMバーチャルオフィス、店舗数が多いワンストップビジネスセンターを比べました。

この記事でわかること

  • 特定商取引法で、ネットショップに表示しなければいけないこと(消費者庁の一覧)
  • 住所と電話番号を「省略」できる条件と、省略できない項目
  • バーチャルオフィスの住所を使える3つの条件(Q18の原文の要点)
  • 私書箱がダメな理由(Q19)
  • BASE・STORES・Shopifyで住所を隠せるか(公式ヘルプで確認できた範囲)
  • 自分に合う方法がわかる4問の診断と、特商法に使えるバーチャルオフィス5社の比較

4問でわかる:あなたに合う住所の出し方診断

Q1. どこでネットショップを開きますか?


Q2. 個人ですか、会社(法人)ですか?

Q3. 自宅の住所をネットに出すことをどう思いますか?


Q4. 返品の受け取りや、仕事の郵便も自宅以外にしたいですか?

  1. 住所の出し方は3つ:自宅表示/省略+請求時提供/バーチャルオフィス
  2. 特定商取引法でネットショップに表示すること
  3. 住所と電話番号を「省略」できる条件
  4. バーチャルオフィスの住所を使える条件(消費者庁Q18)
  5. 私書箱はNG:Q19の答え
  6. BASE・STORES・Shopifyで住所を隠せる?(公式ヘルプで確認できた範囲)
  7. 特商法の表記に使えると公式に書いているバーチャルオフィス比較
  8. ネットショップ用のバーチャルオフィスを選ぶ5つのポイント
    1. 1. 公式に「特商法に使える」と書いているか
    2. 2. 返品の荷物を受け取れるか
    3. 3. 郵便がどれくらいの頻度で届くか
    4. 4. 会社をつくる予定があるか
    5. 5. 1年の総額で比べる
  9. 特商法の表記の書き方の例(バーチャルオフィスを使う場合)
  10. 特商法に使えるバーチャルオフィス5社の紹介
    1. バーチャルオフィス1:年払いで月880円、FAQで特商法の住所欄に使えると明記
    2. レゾナンス:物販向けの「ネットショップ住所貸しプラン」月550円
    3. NAWABARI:ネットショップ運営プラン月1,100円、郵便の写真確認つき
    4. DMMバーチャルオフィス:特商法の表記にも商品の発送元にも使えるとFAQで案内
    5. ワンストップビジネスセンター:全国50店舗、毎週水曜の転送は送料0円
  11. よくある質問
    1. Q. バーチャルオフィスの住所を特商法の表記に書くのは違法ですか?
    2. Q. 住所を書かずに「請求があれば開示します」だけでも大丈夫ですか?
    3. Q. 私書箱やレンタルポストの住所は使えますか?
    4. Q. BASEで非公開にすれば、お客さんに住所は一切知られませんか?
    5. Q. STORESにバーチャルオフィスの住所を登録できますか?
    6. Q. 電話番号はどうすればいいですか?
    7. Q. 会社の場合もバーチャルオフィスの住所を書けますか?
  12. まとめ:条件を押さえれば、自宅を出さずにネットショップは始められる

住所の出し方は3つ:自宅表示/省略+請求時提供/バーチャルオフィス

ネットショップの住所の出し方は、大きく分けて3つです。BASE・STORESを使う個人の場合は、運営会社の住所を表示する方法も選べます。それぞれの特徴を表にまとめました。

方法費用サイトに自宅が出るか主な条件・気になる点向いている人
A:自宅の住所を表示0円出るいちばん確実。ただし住所がネット上に残り続ける自宅住所を出すことに抵抗がない人
B-1:省略+請求があれば遅滞なく提供0円出ない(請求した人には伝える)「請求があれば遅滞なく提供する」と広告に書き、実際にすぐ出せる準備が必要。返品に関することなど省略できない項目もある自分のサイトで小さく始める個人
B-2:BASE・STORESの非公開機能0円出ない(運営会社の住所を表示)区分「個人」のみ。運営会社には本当の住所を登録。発送元・納品書には自分の情報BASE・STORESで売る個人
C:バーチャルオフィスの住所を表示年1万〜5万円台(1年の総額の例)出ない(借りた住所を表示)Q18の条件を満たすこと。私書箱は不可。郵便は転送までに時間がかかる返品や郵便も自宅以外にしたい人、会社をつくる人、自分のサイトで売る人

どれが正しいというより、「どこで売るか」「どこまで住所を知られたくないか」で選ぶのがコツです。迷ったら上の診断を試してみてください。

特定商取引法でネットショップに表示すること

インターネットで物を売ることは、特定商取引法の「通信販売」にあたります。消費者庁の「特定商取引法ガイド」では、個人であっても、利益を目的にくり返し取引をしていれば「販売業者」になると説明されています。副業の小さなショップでも、ルールは同じと考えておきましょう。

同じページには、広告(ネットショップのページ)に表示することとして、次のような項目が並んでいます。

  • 販売価格(送料も表示が必要)
  • 代金の支払時期と支払方法
  • 商品を渡す時期
  • 申込みの期間に決まりがあるときは、その内容
  • 申込みの撤回や契約の解除に関すること(返品の決まりがあるときはその内容)
  • 事業者の氏名(名称)、住所、電話番号
  • 法人がインターネットで広告するときは、代表者または通信販売の責任者の氏名
  • 価格・送料以外にお客さんが払うお金があるときは、その内容と金額
  • 商品が契約の内容と合わないときの責任についての決まりがあるときは、その内容
  • ソフトウェアを売るときは動作環境
  • 2回以上の契約が必要なとき(定期購入など)は、その旨と条件
  • 販売数量の制限など特別な条件があるときは、その内容
  • カタログなどを有料で送るときは、その金額
  • メールで広告を送るときは、メールアドレス

住所と電話番号は、この中の「事業者の氏名(名称)、住所、電話番号」にあたります。消費者庁のQ17では、住所と電話番号を表示する目的を「トラブルが起きたときや、お客さんから問い合わせがあったときの対応に備えるため」と説明しています。そのため、住所は「現に活動している住所」、電話番号は「確実に連絡が取れる番号」を表示する必要がある、とされています。

なお、名前についてはQ16で、個人は戸籍上の氏名か登記した商号、法人は登記簿上の名称を書く必要があり、屋号やサイト名だけではダメとされています。住所を隠せても、名前は本名(または登記した名称)を出すのが前提です。

住所と電話番号を「省略」できる条件

消費者庁の特定商取引法ガイドでは、広告のスペースはさまざまで、すべてを表示するのは実態に合わない面があるとして、次の2つを満たせば一部の項目を省略できると説明しています。

  1. お客さんから請求があれば、表示する事項を書いた書面(ネット通販ではメールでもよい)を「遅滞なく」提供することを、広告に表示する
  2. 実際に請求があったときに「遅滞なく」提供できるような準備(措置)をしておく

ここでいう「遅滞なく」とは、取引の実態に合わせて、お客さんが申し込むかどうかを決める前に、十分な時間の余裕をもって提供されることだと説明されています。たとえばインターネット・オークションのように申込みの期間が短く、締め切り直前に申込みが集中する売り方では、「遅滞なく」提供するのは難しいと考えられる、という例も書かれています。

消費者庁の表では、事業者の氏名(名称)・住所・電話番号は「省略できる」項目に入っています。一方で、次のような項目は省略できません。

項目省略できるか(消費者庁の表より)
事業者の氏名(名称)・住所・電話番号省略できる
法人の代表者名または責任者名省略できる
代金の支払時期(前払いの場合)価格・送料などを全部表示したときは省略できない/全部表示しないときは省略できる
返品に関すること(返品できるか・期間などの条件・返品の送料をだれが払うか)省略できない
申込みの期間に決まりがあるときの内容省略できない
2回以上の契約が必要なときの条件省略できない
販売数量の制限など特別な条件省略できない
ソフトウェアの動作環境省略できない
(メールで広告するとき)メールアドレス省略できない

つまり「住所と電話番号は、請求があればすぐ出す」と書いておき、本当にすぐ出せるようにしておけば、表示を省略する道があります。表示例としては「住所・電話番号は、ご請求があれば遅滞なく電子メールでお知らせします」のような書き方が考えられますが、具体的な文言は法律で決まった形があるわけではありません。不安な人は、消費者庁の案内や専門家に確認してください。

省略の方法は費用がかからない反面、請求が来たら自宅の住所を伝えることになります。「お客さんにも住所を知られたくない」という人には向きません。

バーチャルオフィスの住所を使える条件(消費者庁Q18)

消費者庁の「通信販売広告Q&A」のQ18は、「個人事業者ですが、バーチャルオフィス等の住所及び電話番号を表示することは可能でしょうか」という質問です。答えでは、住所は「現に活動している住所」、電話番号は「確実に連絡が取れる番号」を表示する必要があるとしたうえで、次のような措置がとられ、その要件が満たされる場合には、プラットフォーム事業者やバーチャルオフィスの住所・電話番号を表示しても、特定商取引法の要請を満たすものと考えられる、とされています。

条件Q18の内容(要点)やさしく言うと
1. 連絡先としての合意バーチャルオフィス(またはプラットフォーム)の住所・電話番号が、取引をするときの連絡先の役割を果たすことについて、個人事業者と運営会社の間で合意がされていること運営会社が「特商法の表記に使ってよい」と認めていること。規約や公式の案内で確かめる
2. 本人の情報の把握運営会社が、個人事業者の現住所と本人名義の電話番号を把握していること契約のときに本人確認を受け、本当の住所と自分名義の電話番号を登録する
3. 確実に連絡が取れる運営会社と個人事業者の間で、確実に連絡が取れる状態になっていること届いた郵便やお客さんからの連絡が、きちんとあなたに届く仕組みがある
(プラットフォームの場合)取引の活動が、そのプラットフォーム上で行われていることBASEで売っているならBASEの住所、のように売っている場所の会社であること

さらにQ18には大事な一文があります。個人事業者・プラットフォーム事業者・バーチャルオフィス運営会社のいずれかが不誠実で、お客さんから連絡が取れないなどの事態が起きた場合は、特定商取引法の表示義務を果たしたことにはならない、という内容です。住所を借りれば終わりではなく、「お客さんの連絡が自分に届き、きちんと対応する」ことまでがセットだと考えましょう。

電話番号についても、Q18はバーチャルオフィス等の電話番号を含めて書かれています。ただし、ここで紹介する会社の中には電話の新規受付をやめているところもあります。電話はQ17のとおり「確実に連絡が取れる番号」を表示する必要があり、Q&Aでは番号の種類(携帯電話・050番号など)についての記載は確認できませんでした。なお、Q20では、夜など営業していない時間は留守番電話を使ってかまわない、とされています。

また、Q18は「個人事業者」の質問として書かれています。会社(法人)の場合、Q19の答えでは、特定商取引法の「住所」とは、会社なら本店の所在地など営業上の活動の拠点となる場所を指すとされています。バーチャルオフィスに本店を登記した会社は、その本店所在地を表示する形になると読めますが、実際の活動の状況によって考え方が変わる可能性もあるため、断定はできません。心配な場合は専門家に相談してください。

私書箱はNG:Q19の答え

「郵便が届くなら私書箱でもいいのでは?」と考える人もいるかもしれません。消費者庁のQ19はまさにこの質問で、答えははっきりしています。特定商取引法の「住所」は、会社なら本店の所在地など営業上の活動の拠点となる場所を指すもので、私書箱を表示してもそのような場所を表示したことにはならないので、「住所」の表示をしたことにはならない、とされています。

バーチャルオフィスの中には、郵便を受け取るためのポストや私書箱をオプションで用意している会社もあります。特商法の表記には、私書箱の番号ではなく、運営会社が特商法に使ってよいと案内している住所を書きましょう。

BASE・STORES・Shopifyで住所を隠せる?(公式ヘルプで確認できた範囲)

Q18の「プラットフォーム事業者の住所」の考え方を受けて、ネットショップ作成サービスの中には、運営会社の住所を代わりに表示できる仕組みを用意しているところがあります。公式ヘルプで確認できた内容をまとめました。

サービス住所を非公開にする仕組み使える人公式ヘルプにある主な注意点
BASE「設定 > 運営に関する情報」から住所・連絡先を非公開にすると、特商法の表記にBASE株式会社の住所・連絡先が表示される区分「個人」のショップのみ(Ameba Owndを使うショップは不可)非公開でも住所・連絡先は正確に入力が必要(決済の審査などに使う)/発送元は自分の住所・電話番号/返品などで問い合わせがあれば開示が必要/納品書にはショップの住所が書かれる
STORES特定商取引法ページの設定で「STORES の情報を表示」を選ぶと、STORES株式会社の所在地・電話番号が表示される事業形態が個人・個人事業主のみSTORESには実際に活動している拠点の住所と確実に連絡が取れる電話番号を登録する/「現に活動している住所」ではないバーチャルオフィスの住所等を登録することは認められないと明記/初回入金までに本人確認/名前(フルネーム)は非公開にできない/配送伝票・納品書には自分の情報、匿名配送機能はない
Shopify運営会社の住所を代わりに表示する機能は、公式ヘルプで確認できず―日本でShopifyペイメントを使う場合は特商法に基づく表記が義務で、「設定 > ポリシー」で入力し、ストアとチェックアウトページの両方に表示する必要がある

ここで注意したいのは、STORESの書き方です。STORESの非公開機能を使うときにSTORESへ登録する住所は、自宅や事務所など実際に活動している場所でなければならず、バーチャルオフィスの住所は認められない、とされています。バーチャルオフィスを契約すれば、どのサービスでもその住所を登録できるわけではありません。レゾナンスも、登録先によっては使えない場合があると注記しています。使うサービスの最新のルールを先に確かめましょう。

また、BASEもSTORESも、サイト上の表示を運営会社の住所にできるだけで、商品の発送元や納品書には自分の住所が必要です。「お客さんに住所をまったく知られたくない」場合は、発送元にも使えるバーチャルオフィスを選ぶ、という考え方になります(DMMバーチャルオフィスはFAQで、特商法の表記や商品の発送元の住所として使えると案内しています)。

特商法の表記に使えると公式に書いているバーチャルオフィス比較

ここでは、公式サイトで「特定商取引法の表記に使える」「ネットショップの運営に使える」とはっきり書いている5社だけを比べます。1年の総額は、郵便を月4回(1回50g以下)転送した場合の目安です。送料が実費の会社は、日本郵便の定形郵便50g以内110円で計算しました(一部の会社は公式の転送料で計算)。

会社特商法についての公式の記載基本料金初期費用郵便の転送1年の総額の目安(月4回)
バーチャルオフィス1FAQで「特定商取引法(特商法)に基づく表記の住所欄にご利用いただけます」年払い月880円(一括10,560円)/単月3,960円入会金5,500円月4回(原則金曜)・50gまで150円23,260円
レゾナンスネットショップ住所貸しプランに「特商法表記」。登録先により使えない場合があると注記ネットショップ住所貸しプラン月550円(物販のみ)/住所のみ週1転送 年払い月1,650円入会金5,500円(週1転送の年払いは0円)・預り金1,000円〜毎週水曜・100gまで300円住所のみ週1転送:34,200円/ネットショップ住所貸し:約26,500円(月550円×12か月で計算)
NAWABARIプラン内容に「特定商取引利用」。特定商取引法に基づく表記として住所利用が可能ネットショップ運営プラン月1,100円(年13,200円)5,500円(初期費用無料キャンペーンの表示あり)毎週水曜・送料実費42,700円(キャンペーン適用なら37,200円)※レターパックライト500円で計算
DMMバーチャルオフィスFAQで「特定商取引法に基づく表記や、商品発送元の住所としてご利用頂けます」ベーシック年間 月2,530円〜入会金5,500円週1(水曜)・150gまで330円51,700円
ワンストップビジネスセンター公式記事で特定商取引法の表記に記載できると案内エコノミー月5,280円10,780円毎週水曜・送料と手数料0円68,860円

このほか、GMOオフィスサポート(GMOバーチャルオフィス)は公式ブログで、ネットショップなどの表記のために住所だけ借りたい人向けに「転送なしプラン」(月660円・登記不可)を案内しています。ただし、特商法の表記に使えるかどうかをはっきり書いた文言は確認できなかったため、比較表には入れていません。

ネットショップ用のバーチャルオフィスを選ぶ5つのポイント

1. 公式に「特商法に使える」と書いているか

Q18の1つ目の条件は「連絡先として使うことの合意」です。公式サイトのFAQや規約で特商法の表記に使えると書いている会社を選べば、この点をはっきりさせやすくなります。

2. 返品の荷物を受け取れるか

ネットショップでは返品の荷物が届くことがあります。DMMバーチャルオフィスのFAQでは、受け取れない荷物として決めているものは返品でも不在票対応や差し戻しになると書かれています。受け取れる荷物の大きさ・種類を契約前に確認しましょう。

3. 郵便がどれくらいの頻度で届くか

お客さんからの郵便や返品の連絡が届くまでの時間は、転送の頻度で変わります。週1回の会社が多いので、急ぎのときに使える即日転送のオプションがあるかも見ておくと安心です。

4. 会社をつくる予定があるか

将来会社をつくるなら、登記できるプランかどうかが大事です。たとえばGMOオフィスサポートの転送なしプランは登記できません。最初から登記できるプランを選べば、住所を変える手間がかかりません。

5. 1年の総額で比べる

月額だけでなく、入会金・転送の送料・預り金を足した1年の総額で比べましょう。上の表のとおり、同じ月4回の転送でも1年で2万円台から6万円台まで差があります。

特商法の表記の書き方の例(バーチャルオフィスを使う場合)

バーチャルオフィスを使う場合の表記の例です。実際の書き方は、使うネットショップ作成サービスの入力欄と、契約したバーチャルオフィスの案内に合わせてください。

項目書き方の例
販売業者山田太郎(個人は戸籍上の氏名。屋号だけは不可)
所在地バーチャルオフィスの運営会社が案内する住所(ビル名・部屋番号まで正確に)
電話番号確実に連絡が取れる番号(営業時間外は留守番電話でも可とQ20にあり)
メールアドレスお問い合わせ用のアドレス
販売価格・送料各商品ページに表示、送料は〇円など
支払時期・方法クレジットカード(注文時に決済)など
引渡時期ご注文から〇日以内に発送
返品について返品の可否・期間・送料の負担(省略できない項目)

住所は、バーチャルオフィスの運営会社が指定する書き方(部屋番号やビル名など)をそのまま使いましょう。書き方を間違えると、郵便がきちんと届かない原因になります。

特商法に使えるバーチャルオフィス5社の紹介

バーチャルオフィス1:年払いで月880円、FAQで特商法の住所欄に使えると明記

バーチャルオフィス1(株式会社ナレッジソサエティ)は、年間契約なら月880円(一括10,560円)で使えるバーチャルオフィスです。公式FAQには、ECサイト(ネットショップ)の運営に利用でき、特定商取引法に基づく表記の住所欄に使えると書かれています。拠点は渋谷・神保町・広島です。

  • 料金:年間契約 月880円(一括10,560円)、単月3,960円、入会金5,500円、保証金0円
  • 郵便:月4回(原則木曜締め・金曜発送)、50gまで150円・100gまで250円
  • 急ぎのとき:スポット転送 1回550円+送料実費(当日11時までの依頼で当日発送)
  • 登記:全プランで追加料金なしで法人登記できる
  • 支払い:クレジットカードのみ(ブランドのついたデビットカード・プリペイドカードも可)、途中解約はできない

気になる点は、電話転送サービスが新規受付を停止していることと、途中解約ができないことです。電話番号は自分で用意しましょう。1年の総額は月4回の転送で23,260円と、比べた5社の中でいちばん安くなりました。

レゾナンス:物販向けの「ネットショップ住所貸しプラン」月550円

レゾナンス(株式会社ゼニス)には、ネットショップ運営者で特商法の表記に住所が必要な人向けの「ネットショップ住所貸しプラン」(月550円)があります。事業内容がネットショップ(物販)以外の人は申し込めないと書かれています。郵便は毎週水曜に転送され、来店での受け取りや郵便の写真通知(無料)にも対応しています。

  • 料金:ネットショップ住所貸しプラン 月550円/住所のみ 週1転送 年払い月1,650円・半年払い月2,750円、月1転送 年払い月990円
  • 初期費用:入会金5,500円(週1転送の年払いは0円)、預り金(デポジット)1,000円〜
  • 郵便:送料100gまで300円、サインがいる郵便の受け取りは1回300円
  • 急ぎのとき:スポット転送(即日発送)1回500円+送料
  • 店舗:浜松町・青山・六本木・銀座・日本橋・渋谷・恵比寿・新宿・秋葉原・池袋・横浜・大阪梅田など14店舗

気になる点は、支払い後は利用状況にかかわらず返金されないことと、特商法の表記は登録先によって使えない場合があると注記されていることです。ネットショップ住所貸しプランの契約期間や支払い方法は、申し込み前に公式で確認しましょう。

NAWABARI:ネットショップ運営プラン月1,100円、郵便の写真確認つき

NAWABARI(東京都目黒区)は、「ネットショップ運営プラン」を月1,100円(年13,200円)で用意しているバーチャルオフィスです。プラン内容に「特定商取引利用」があり、特定商取引法に基づく表記として住所を使えると公式に書かれています。届いた郵便はマイページで写真で確認でき、必要なものだけ転送を頼めます。

  • 料金:ネットショップ運営プラン 月1,100円(年13,200円)、ビジネスプラン 年間契約 月1,650円(年19,800円)
  • 初期費用:5,500円(初期費用無料キャンペーンの表示あり)、保証金0円
  • 郵便:週1回(水曜)転送、送料実費
  • 急ぎのとき:速達サービス 1荷物550円、都度転送サービス 月1,100円
  • そのほか:屋号の追加は10個まで無料、郵便物の開封・読み込みサービス(月1,100円+1通110円)

気になる点は、拠点が目黒の1か所だけで、来店して受け取りたい人には場所が合わない場合があることです。返金のルールは公式で確認できませんでした。

DMMバーチャルオフィス:特商法の表記にも商品の発送元にも使えるとFAQで案内

DMMバーチャルオフィス(合同会社DMM.com)は、公式FAQで「ネットショップの運営に利用可能」とし、特定商取引法に基づく表記や商品の発送元の住所として使えると案内しています。ショップ名やペンネームは、事業の範囲内なら1アカウントで最大3つまで登録できます(1つ目は無料)。

  • 料金:ベーシック 年間契約 月2,530円〜・半年 月3,850円〜・単月 月5,500円〜(銀座は+440円)、入会金5,500円、保証金0円
  • 郵便:週1回(水曜)、150gまで330円・500gまで550円、個別転送440円〜
  • 来店受取:銀座・横浜・名古屋
  • 拠点:札幌・仙台・渋谷・新宿・池袋・恵比寿・青山・銀座・九段下・横浜・名古屋・京都・大阪梅田・神戸・福岡天神・沖縄の16拠点
  • 支払い:クレジットカードのみ

気になる点は、受け取れない荷物として指定しているものは返品でも不在票対応や差し戻しになることと、FAQでサービス利用料などの返還は一切ないとしていることです。ミニマムプラン(月660円)は受け取れる郵便が返品・返送品などに限られるため、ネットショップで使うなら内容をよく確かめましょう。

ワンストップビジネスセンター:全国50店舗、毎週水曜の転送は送料0円

ワンストップビジネスセンターは全国50店舗(東京24)のバーチャルオフィスで、公式記事で特定商取引法の表記に記載できると案内しています。毎週水曜の定期転送は送料・手数料がかからないため、郵便が多い人ほど割安になります。

  • 料金:エコノミー月5,280円/ビジネス月9,790円/プレミアム月16,280円、初期費用10,780円
  • 郵便:毎週水曜の転送は送料・手数料0円
  • 契約:6か月以上。年払い(振込)で1か月無料
  • 返金:30日以内なら初期費用と初月料金を返金
  • 口座:全プランで口座開設サポート(公式に「90%以上が開設に成功」と記載)

気になる点は、月額が5社の中でいちばん高いことです。そのかわり、30日以内の返金ルールや口座開設のサポートなど、はじめての人が安心できる仕組みがそろっています。

よくある質問

Q. バーチャルオフィスの住所を特商法の表記に書くのは違法ですか?

A. 消費者庁のQ18では、連絡先としての合意、運営会社による現住所と本人名義の電話番号の把握、確実に連絡が取れる状態といった条件を満たす場合、バーチャルオフィスの住所でも特定商取引法の要請を満たすものと考えられる、とされています。ただし、だれかが不誠実で連絡が取れない事態が起きると、表示義務を果たしたことにはならないとも書かれています。最終的な判断は個別の状況によるため、心配なときは消費者庁の案内や専門家に確認してください。

Q. 住所を書かずに「請求があれば開示します」だけでも大丈夫ですか?

A. 消費者庁の説明では、請求があれば「遅滞なく」提供すると広告に表示し、実際にすぐ提供できる準備をしている場合に、住所・電話番号の表示を省略できるとされています。「遅滞なく」は、お客さんが申し込みを決める前に十分な時間の余裕をもって提供することです。返品に関することなど、省略できない項目もあります。

Q. 私書箱やレンタルポストの住所は使えますか?

A. 私書箱は、消費者庁のQ19で「住所」の表示をしたことにはならないとされています。バーチャルオフィスを使う場合も、私書箱の番号ではなく、運営会社が特商法の表記に使えると案内している住所を書きましょう。

Q. BASEで非公開にすれば、お客さんに住所は一切知られませんか?

A. BASEの公式ヘルプによると、非公開にしても、発送元は自分の住所・電話番号を使う必要があり、返品などで問い合わせがあれば住所と連絡先を開示する必要があります。また、納品書にはショップの住所が書かれます。完全に知られたくない場合は、発送元にも使えるバーチャルオフィスを検討しましょう。

Q. STORESにバーチャルオフィスの住所を登録できますか?

A. STORESの公式ヘルプでは、特商法の非公開機能を使う場合、STORESには実際に活動している拠点の住所を登録する必要があり、「現に活動している住所」ではないバーチャルオフィスの住所などを登録することは認められないとされています。使うサービスごとにルールが違うので、事前に確認しましょう。

Q. 電話番号はどうすればいいですか?

A. 消費者庁のQ17では「確実に連絡が取れる番号」を表示する必要があるとされ、Q20では営業していない時間は留守番電話を使ってかまわないとされています。バーチャルオフィスの電話サービスを使う方法もありますが、新規受付をやめている会社もあるので、契約前に確認してください。

Q. 会社の場合もバーチャルオフィスの住所を書けますか?

A. Q19の答えでは、会社の「住所」は本店の所在地など営業上の活動の拠点となる場所を指すとされています。バーチャルオフィスに本店を登記した会社はその住所を表示する形になると読めますが、活動の実態によって考え方が変わる可能性もあります。登記できるプランかどうかは法人登記の記事で詳しくまとめています。

まとめ:条件を押さえれば、自宅を出さずにネットショップは始められる

ネットショップの特商法の表記は、「自宅を出すしかない」わけではありません。消費者庁のQ&Aでは、条件を満たせばバーチャルオフィスやプラットフォームの住所を表示できる考え方が示されていますし、請求があれば遅滞なく提供する形で省略する方法もあります。大事なのは、私書箱を使わないこと、運営会社が特商法の表記に使えると認めている住所を使うこと、そしてお客さんからの連絡にきちんと対応できる体制をつくることです。

  • BASE・STORESで売る個人で、発送元が自宅でもよい → 非公開機能(運営会社の住所を表示)
  • 自分のサイトで小さく始め、請求があればすぐ伝えられる → 省略+請求時提供
  • 返品や郵便も自宅以外にしたい、会社をつくる → 特商法に使えるバーチャルオフィス

迷ったら記事の最初の診断をもう一度試してみてください。バーチャルオフィスを選ぶなら、1年の総額が安いバーチャルオフィス1、物販向けプランのあるレゾナンスやNAWABARIから比べるのがおすすめです。住所の心配がなくなれば、あとは商品づくりと集客に集中するだけです。

参考:消費者庁「特定商取引法ガイド」通信販売(https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/mailorder/)、同「通信販売広告Q&A」Q15〜Q20(https://www.no-trouble.caa.go.jp/qa/advertising.html)、BASEヘルプ「住所を、購入者へ非公開にできますか」、STORES よくある質問「【特商法非公開】ストアの所在地・連絡先を非公開にする方法を教えてください」、Shopifyヘルプセンター「日本のチェックアウトページにストアポリシーと重要情報を表示する」、各社公式サイト(バーチャルオフィス1、レゾナンス、NAWABARI、DMMバーチャルオフィス、ワンストップビジネスセンター、GMOオフィスサポート)、日本郵便「定形郵便物の料金」。2026年10月31日確認。

タイトルとURLをコピーしました